とても大事なこと ~入院を防ぐ自己管理

心不全は進行性の病気です。いくら効果のある治療を行っても、自己管理ができていなければ急性増悪(急激に状態が悪化すること)を起こしたり、それが原因で再入院が必要になったりします。再入院してしまうと、たとえ退院できたとしても心臓の機能は完全に元の状態には戻らないこともありますので、できるだけ急性増悪を起こさないようにすることが大切です。急性増悪の兆候をとらえるための日々の症状チェックや日常生活における注意についてみていきましょう。

こんな時は急性増悪の兆候・初期症状
かもしれません~日々の症状チェックをしましょう~

心不全では、心臓のポンプ機能の低下により、酸素や栄養分を含んだ血液を全身に十分に送ることができずに息切れやだるさを引き起こします。また、血液を送り出す力が低下することで心臓、さらには肺に血液が滞り(肺うっ血)、酸素がうまく取り込みにくくなって呼吸困難を引き起こします。そして、体から心臓に戻ってくる血液を受け取る力も弱まり、心臓に血液が戻りにくくなったり、腎臓で尿を作りにくくなったりすることで体のむくみや体重増加が起こります。
心不全の急性増悪時にはこれらの症状が悪化するため、それらに早く気づいて適切な対処をすることが大事になります。日誌などを用いて、そうした兆候がないかを日々チェックすることが有用です。

食事量を変えてないのに、数日間で急激な体重増加(2~3kg以上)食欲不振 階段・坂道での息切れ むくみ 夜間の呼吸困難

※このほか、不整脈や虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)の発症による動悸や胸の痛みなどの症状発生にも注意する必要があります。

急性増悪を防ぐための日常生活の注意

急性増悪の原因として多いものとして、塩分・水分のとりすぎ、薬の飲み忘れ・中断、睡眠不足、過労・体の動かしすぎ、感染症、ストレスなどが挙げられます。心不全が重症化するほど、少しのことで心臓に大きな負担がかかって急性増悪を起こしやすくなるので、心不全を重症化させないためにも急性増悪を起こさないような日常生活を送る必要があります。
塩分や水分を過剰摂取すると、体液が増加して心臓の負担となるので避けなければなりません。心臓の働きを楽にしたり、休ませたりするために処方されている薬は大変重要なものです。また、個々の患者様に適した範囲で体を動かすことは大事ですが、生活の中ではうまく休息を入れる動作の工夫が必要となってきます。そして、風邪やインフルエンザは、やはり急性増悪のきっかけとなるので予防が必要です。
以上のことを実現していくためには、主治医の指導だけでなく家族や専門スタッフ(看護師、管理栄養士、理学療法士、臨床工学技士や薬剤師など)のチームサポートによる支援が必要になってきます。

急性増悪の主な原因

塩分・水分のとりすぎ お薬の飲み忘れ・中断 体の動かしすぎ、体への負担 感染症 ストレス

多職種チームによる心不全治療

医師・薬剤師・理学療法士・臨床工学技師・ソーシャルワーカー・臨床検査技師・管理栄養士・看護師