労作時の息切れや夜間の呼吸困難などの心不全症状や再入院の
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息切れ、呼吸困難、むくみ、動悸、疲労感などの症状が起こる心不全。急激に状態が悪化し(急性増悪といいます)、入院を余儀なくされることもあります。
入院治療で状態がよくなっても、病気自体が治ったわけではなく、また悪化して、再入院が必要になることもあります。入院を繰り返すたびに心臓の機能は低下してしまうため、急性増悪を起こさないよう、注意することが大切です。
なんらかの理由で心臓のポンプ機能が低下して、全身に十分な血液を供給できない状態が心不全です。心臓や肺に血液が
息切れ、呼吸困難などの症状が急に現れ、緊急で対処しなければならないような状態。座った姿勢をとることで心臓に戻る血液が減って心臓の負担が減るために、患者様は座った姿勢を好みます。
急激な症状の変化はなくても、心臓の機能が低下しているために慢性的に症状が現れている状態。
慢性心不全では、塩分や水分の取りすぎ、薬の飲み忘れ、風邪などさまざまな原因で急に症状がひどくなって入院が必要になるケースもあります。これを、「急性増悪」と言います。
心臓は、収縮して血液を送り出す働きと、拡張して血液を吸い上げる働きがあり、いわばポンプとして機能しています。心不全には、心臓が収縮する機能が低下した心不全(収縮不全)と、拡張する機能が低下した心不全(拡張不全)があり、両方が同時に起きていることもあります。
写真はイメージです
心不全の症状が強まって入院治療を余儀なくされて、その治療により表向きの症状が改善したとしても、心不全が治ったわけではありません。心不全における症状は、その病態において氷山の一角であり、その後も病状が悪化しないように在宅での治療を続けることが大事になります。
心不全の原因は1つではありません。虚血性心疾患、高血圧、心筋症、弁膜症、不整脈、先天性心疾患などによって心臓の機能が低下することが、心不全の発症と増悪に大きく関係しています。
心不全は心臓の働きが低下した結果、引き起こされた状態ですから、心臓の働きを低下させた原因をはっきりさせて、その病気を治療することが原則となります。
心不全が進行して重症化すると、水分・塩分の過剰摂取、お薬の服用忘れ、ストレスなど、小さなことをきっかけに急性増悪を繰り返すようになります。急性増悪のたびに心臓のポンプ機能は低下してしまうため、急性増悪の予防がとても大切になります。急性増悪から回復したとしても、病気が完全に治ったわけではないことを忘れてはなりません。
高血圧、腎臓の病気、糖尿病、不整脈(心房細動)、虚血性心疾患(狭心症など)などの心不全と併存する疾患は、心不全の発症や進行の原因となるため、これらの病気を予防したり治療したりすることが大切です。逆に、心不全の悪化によってこれらの併存疾患も増悪することがわかっています。